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(永 六輔・藤田敏雄・瀬川昌久)
振付の著作権は…永六輔
 振付という仕事がある。テレビの番組では歌手の動きや、ショー場面で活躍しているが、彼らの置かれている状況について書く。
僕が司会を手伝ったNHKの青春TVでは、たくさんの昔の番組が登場した。その放送された昔のフィルムやVTRはすべて著作権がチェックされて、再放送分の謝礼が支払われる。音楽、脚本、美術はもとより、出演者はその後ろ姿だけが映ってもきちんと計算されて支払われるのである。
 しかし、振付のスタッフには全く支払われていないのだ。この国では振付の著作権が法的に存在しないのである。そして、そのためにまとまって振付ユニオンもない。だからといって支払わないという理屈は通らないはずなのだが、これが現状なのだ。
 僕はテレビ四十年の番組作りの中でどれだけ振付の仲間に支えられてきたことか。そして四十年目に著作権が認められていないことを知ったのだ。「不遇」だけでは済まされない。歌手や、アイドルグループの中には、その振付のおかげでスターになった人もいるし、ヒットした歌もあるのはご存知のとおり。例えば紅白歌合戦。作詞作曲は紹介されるが、踊っていても、その振付をだれがしたのかは紹介されない。
 モーリス・ベジャール、ローラン・プチ、ジェローム・ロビンス。こういった人たちは、振付としての名前が、どのダンサーよりも大きく紹介される。いきなり世界的な振付家を並べる無理は承知の上で、日本の振付のあまりにも無視されている姿は仲間として黙っていられない。
 まずは振付の皆さんにまとまって権利を主張して欲しい。もちろん主張できる仕事が前提である。各放送局もぜひご協力いただきたい。ちなみにSKDが最近上演したミュージカル「砂の上のサンバ」はダンスがメーンの舞台になっている。そのチラシのスタッフの名前の中に振付が入っていないのだ!まず振付が重要という舞台ですらこうだ。
 製作者の皆さんもぜひご協力いただきたい。振付の皆さん!旅暮らしでやっている町おこし、村おこしの要領でお手伝いします。
応援団の弁…藤田 敏雄
 一体全体、どうなってるんだ?と思うことがあります。
たとえば、新聞やなんかでは<振り付け>になっているが、私のように長年ミュージカルの脚本や演出に携わって来た人間にとってはどうしても<振付>でないとピンとこない。殊更<振り付け>と書く必要があるのか?では何故、<組合>を<組み合い>とは書かないのか?
 また大手の僕劇場が上演したミュz−カルの公演パンフレットを見ると、次のような順番でスタッフの名前が並んでいます。<作><演出><音楽><美術><照明><衣装><音響><振付><舞台監督><制作>・・・・・・おい、ちょっと待て!ミュージカルなんだぞ!振付家の位置はそんなに下なのか?文句をつけたくなります。いや、この際(当然ギャランティやロイヤリティの問題も含めて)もっともっと<振付>の立場を自己主張すべきです。さもなければ、日本は<ミュージカル大国>どころか、いつまでたっても<ミュージカル発展途上国>でしかないでしょう。
 ともあれ、苦楽を共にして来た戦友の一人として、義によって助太刀に参上した次第。
舞台芸術における振付重要性…瀬川 昌久
 兼ねてから、日本のショウ・ビジネスが正しい発展を遂げるとめには、ショウの中でダンスがもっと活用され、ダンスの良し悪し、ショウの成否を決するくらいにならなければ、本物にならない、と私はしてきた。
 それには、ステージ・パフォーマンスの中に占めるダンスの役割が、もっと重視され、演出家も観客もダンスの動きを決める振付について、もっと関心を持ち、鑑賞眼を高める必要がある。今回永さん藤田さんから、振付家の地位と権利を高める組織作りたいので応援してくれ、といわれて二つ返事で承諾したもの、長年に亘る私のダンス、ダンサー、振付家に対するそんな思いがあったからだ。
 最近ブロードウェイで、ダンス・ミュージカルの人気が高まり、暫く製作者や観客の側にも、ダンス主ミュージカルやショウをもっと重要視しよう、という気運が高まってきただけに、絶好のタイミングだと思う。兎に角振付家が安心してよい仕事に専念して創造的なダンス・パフォーマンスを沢山提供して貰うことが、舞台芸術の発展に繋がることは間違いない。この組織作りの運動が少しでもその目的に寄興することを心から願っている。
fk